ジョブズリサーチセンター

ホットコラム 「MY論~私はこう考える!」

2013年09月30日

有期雇用における採用の鉄則
こんなやり方では、優秀な応募者は集まらない
~募集時の鉄則~

契約社員やアルバイト・パートなどのいわゆる有期雇用での採用では、多くの会社が「そもそも人があまり応募してくれない」という悩みを抱えています。しかし、そういう会社の募集の仕方を聞いてみると、「これでは集まらないのも仕方がない」と思うところばかりです。簡単に改善できることばかりですので、是非ご参考にしてください。

有期雇用市場は、常に「売り手市場」と考え

言うまでもありませんが、求人全体の中で有期雇用は人気が高いとは言えません。もちろん、そこで経験を得ることで何らかの登竜門となったり、無期雇用よりは門戸が広いためにチャンスが得られやすかったりと、様々な利点があるのも事実ですが、職探しをしている人がそれに気づくのは「真剣に検討しよう」という段階になってからのことです。どんなに良い条件の求人でも「有期」というだけで敬遠されることもあります。つまり、有期雇用はある意味「売り手市場」なのです。無期雇用という市場が隣にいつもある以上、有期雇用市場の求人倍率がどうであっても、自社が欲しい優秀な人材にとっては「売り手市場」と考えるべきでしょう。

ですから、最初に申し上げたいのは、有期雇用での採用においては「応募のハードルは極力低くする」ということです。優秀な人ほど引く手あまたなわけですから、彼/彼女がまずは気軽に応募できる環境を作っておくことは必須です。
「うちの仕事はキツイから最初から厳しいハードルを通り抜けてきてくれないと困るんだよ」という言葉はよく聞きます。しかし、仕事のハードルと、採用のハードルはあまり関係がありませんし、百歩譲って採用上の厳しいハードルを越えてきた人が優秀だとしても、それを越えて来なかった(その会社に最終的に応募しなかった)人が優秀でないかどうかはわからないはずです。私の長年の採用経験では、辞退者の方が優秀なぐらいです。

こんなことで応募者は受ける気を無くしていく

では、「高い」ハードルとはどのようなものでしょうか。以下に例を挙げてみます。まず、応募条件についてです。できるだけ効率的に採用を行いたいと採用広告等で応募条件を数多く記載するケースがあります。しかし、条件を多くすれば該当する応募者は減ります。いくら「望ましい」と書いても、受け取る側は「必要なのか」と思います。例えば、TOEIC600点ぐらいが欲しいと思っても、条件にそのまま「600点」と書いてはいけません。600点の人も「自分は最下限レベル」と思い、応募を躊躇するからです。「条件は少なめに、緩めに」が鉄則です。特に、サービス業等の対人能力が重要な仕事では、そもそも書類でわかる部分は限定的です。むやみに条件を厳しくすることは慎むべきでしょう。

次に、応募書類についてです。最初から履歴書を郵送もしくは持参させるケースがよくありますが、もし応募者の少なさに困っているのであれば、できるだけ止めるべきでしょう。面接などに呼び込む前に「事前準備」させるのは、応募者の受ける気をそぎます。極端な例ではそれだけで応募者が半減というケースも見てきました。もし、面接時に資料が必要であるということであれば、面接当日に来社してから「その場で」面接用のカードなどに、過去の経歴や志望動機などの必要事項を書いてもらえばよいのです。

また、受験の際に説明会などへ必参加とすることも場合によってはマイナスです。説明会参加の後、面接などの選考を受けるというケースでは、手間のかかる説明会の開催枠がボトルネックになることがよく生じます。実施側は「説明会できちんと理解を深めてもらわなければ、辞退もするし、定着もしないだろう」と思ってのことでしょうが、実際には、シンプルに面接枠を多数用意して、「いきなり面接」を受けてもらう方が応募者の離脱率が低いことが多々あります。説明会がある「から」応募する人はそんなに多いのでしょうか。むしろ、説明会の開催日程が少なく、日程が合わない「から」応募しない人の方が多いのではないかと思います。応募機会の多さは募集を増やすには大変重要です。

最初はシンプルに。濃いコミュニケーションは後ほど

このようなアドバイスすると「そんなに気軽に来られたら、入社後問題を起こすのでは」とよく言われます。しかし、私が申し上げたいのは、「最初は」気軽に来られるようにしてください、ということです。入社を決める際には「覚悟」してもらう必要がありますが、最初からその必要はありません。

最初から「覚悟」している人は、その会社や仕事の「ファン」層です。そういう人は一定数いるでしょうし、厳しい採用ハードルも乗り越えて入社に至ることでしょう。ファンだけの採用で間に合っている会社なら何も言うことはありません。しかし、ファンだけでは採用目標に足りないなら、ファンの行動を一般化しないでください。ファンを増やすのは事業自体の成功であり、採用活動ではなかなか劇的な変化をもたらすことはありません。採用で目指すべきは、なんとか「非ファン」層を取り込んで、後で口説くということです。

つまり、最初の応募の段階では、とにかく「気軽に来られる」ことを重視し、多くの「非ファン層」を集めることが大事なのです。そして、後工程で濃いコミュニケーションを通して、彼らをファンにしていくのが、採用の本当の仕事なのだと思います。

株式会社人材研究所 代表取締役社長
組織人事コンサルタント
曽和利光
京都大学教育学部教育心理学科卒。リクルート人事部ゼネラルマネジャー、ライフネット生命総務部長、オープンハウス組織開発本部長と人事採用部門の責任者を務め、主に採用・教育・組織開発の分野で実務やコンサルティングを経験。2011年に株式会社人材研究所設立。現在、人々の可能性を開花させる場や組織を作るために諸事業を展開中。人事プロデューサークラブエグゼクティブパートナー、GCDFキャリアカウンセラー、他

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