ジョブズリサーチセンター

ホットコラム 「MY論~私はこう考える!」

2013年11月12日

相思相愛マネジメントで
パート・アルバイトを育てて、活かす Vol.3

パート・アルバイトを「採用」できず、「定着・戦力化」もできないと、悩む企業はとても多い。では、どうすれば? に応える成功法則「相思相愛マネジメント」を、変化する非正規労働者の状況と合わせ、お伝えします。

どうすれば「相思相愛」になれるのか?

「相思相愛マネジメント」は、パート・アルバイトとして働く方が、「ここで働きたい」「働き続けたい」と思い続け、イキイキ活躍できるように、企業側が率先して行う、マネジメントの工夫である。それも、一人のパート・アルバイトを募集し、採用し、その人が退職するまで、一貫して継続的に行うことが重要だ。――と、前回までに述べました。

では、企業がパート・アルバイトと、こうした"相思相愛"の関係になるためには、企業はいったい、何をどうすればよいのでしょうか。

これを考える際、ポイントとなるのが、パート・アルバイトが仕事に対して求めるもの。要するに、パート・アルバイトが「この職場で働きたい」「働き続けたい」と思う理由です。

「やりがい・自己成長」と
「働きやすさ・処遇」の2つの軸

そんな"相思相愛"ポイントを考える際、頭のなかは、こう整理するとよいでしょう。つまり、パート・アルバイトが「ここで働きたい」「働き続けたい」と思っている理由を、次の2軸で考えます。

① やりがい・自己成長(高・低)

② 働きやすさ・処遇(高・低)

「やりがい・自己成長」の軸はその名の通り、その職場で働いていてやりがいが得られるか。意欲的にモチベーション高く取り組める仕事が与えられ、また、そうしたマネジメントがなされているかどうかです。

一方、「働きやすさ・処遇」の軸は、パート・アルバイトが無理なく働ける職場環境になっているか。そして仕事の内容、あるいは地域相場に比し、納得のいく賃金が支払われているかどうか、です。

イキイキゾーン、危機的ゾーン

この2軸で、自社の現場を見直したとき、いったいどこに位置しているでしょう?

もちろん、パート・アルバイトに活躍してほしいなら、目指したいのは「やりがい・自己成長」も「働きやすさ・処遇」も高い、イキイキゾーン。こうした職場ならパート・アルバイトも、簡単には辞めません。「この職場がいい」と、本人が積極的に思っているからです。

逆に、「やりがい・自己成長」が感じられず、「働きやすさ・処遇」も低い職場は、停滞し、生産性も下がって当然の危機的ゾーン。こうした内情がネットや口コミで求職者に伝われば、応募が減って当然です。応募時点でわからずとも、入社後これに気づいた場合は、「あ、失敗した」「早く次を探そう」と思って当然です。これでは、定着も戦力化も夢のまた夢。このゾーンからは、一刻も早く脱しなくてはいけません。

燃え尽きゾーン、そこそこゾーン

「やりがい・自己成長」は高いが、「働きやすさ・処遇」が低い職場は、燃え尽きゾーン。意欲や責任感がきわめて強く、処遇が低くても「頑張る」パート・アルバイトは存在します。でも、そこに「働きやすさ・処遇」が伴わない場合、ある日突然「燃え尽き」てしまい、精神的に参ってしまったり、退職してしまったりするのです。

個人の"頑張る気持ち"に極端に依存した職場運営は、破たんの危険を常にはらんでいるということです。「やりがい・自己成長」を維持しつつ、処遇や職場環境を改善することで、"頑張る気持ち"を長く維持・向上させていくことを目指していきます。

この対角線に位置するのが、そこそこゾーン。「働きやすさ・処遇」がある程度担保されていれば、「やりがい・自己成長」は特に求めない人も、中にはいます。この場合、与える仕事の量や質が低すぎると、職場が「ぬるま湯」化してしまいます。適正な管理で、職場の生産性を上げていくことが大事です。

一番大事な、愛情とコミュニケーション

実は、この2軸は、有名な「マズローの5段階欲求説」で整理できます。

「働きやすさ・処遇」の軸は、生活に直結する「第1段階 生理的欲求」と、安心して安定的に働けることで得られる「第2段階 安全欲求」を満たすもの。一方、「やりがい・自己成長」の軸は、評価され自分の存在を認められ、周囲に尊重されたい「第4段階 尊敬欲求(承認)」と、自己成長や達成感を求める「第5段階 自己実現欲求」を、充足させられるか、ということです。

あれ? 1つ抜けていますね。そう、「第3段階 愛情欲求」です。実は「所属・社会的欲求」ともいわれるこの「愛情欲求」に応えることが、パート・アルバイトとの"相思相愛"の実現に、きわめて大きく作用します。具体的には、職場への参加・参画や、仲間意識をもってもらうための工夫です。

見過ごしがちですが、非常に重要なポイントです。個々人の価値観や環境に因らず、多くのパート・アルバイトが総じて求める強い「愛情欲求」に、応えられている企業が強いのです。

株式会社働きかた研究所
代表取締役 平田未緒
早稲田大学卒業後、情報誌編集記者を経て、1996 年に総合求人広告企業株式会社アイデムに入社。人とマネジメント情報各誌の編集長を歴任し、2009 年からアイデム人と仕事研究所所長。この間パート・アルバイトの戦力化などをテーマに、数多くの企業ならびに働く人を取材。雇用に関する現場情報に詳しい。
2013年に株式会社働きかた研究所を設立、「企業に対するパート・アルバイト活用支援」を実施する。
各種公的委員会・研究会の委員も務めるほか、各種専門誌への執筆、講演も多数。著書に『パート・アルバイトの活かし方・育て方(PHP新書)』などがある。
http://hatarakikata.co.jp/

『パート・アルバイトの活かし方・育て方~「相思相愛」を実現する10ステップマネジメント~』(PHP研究所)
パート・アルバイトがすぐにやめてしまう......。上司、店長のそんな悩みを解消するのが「相思相愛マネジメント」。募集から採用、教育まで、パート・アルバイトの力を引き出すための具体的な手法を、10のステップに分けて解説する。ともすると、漫然と雇用されることの多い労働力も、「意欲・能力が高い人を選び」「その人にできるだけ長く働いてもらい」「業績向上のためにもてる力を最大限に発揮してもらう」ことができれば、大きな戦力となる。では、具体的にはどうすればいいのか? について、男女の恋愛になぞらえて具体的に解説しておりわかりやすく、明日からの実践に移しやすい。

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