STEP 1 背景の検証

若者の労働力は減り女性の活躍は増えていく時代

若者の労働人口シェア 2020年には24.6%に激減

多くのパート・アルバイト現場で、雇用の中心を担っている若者たち。しかし、わが国の世代別労働力人口の推移を見てみると、働く若年層の人数は減少の一途をたどっている(図3)。
15歳から34歳までの若年層の労働力は、1980年には全体の37.9%だったのが、2000年には33.5%まで減少。2010年には28.2%、そして2020年には、24.6%となんと労働人口全体の1/4にまで減少する見込みだ。対して、2020年の55歳以上の労働力が全体の28.8%。もはや若年層の労働人口より多くなる見込みであるから、かつて定年の対象となった人々が活躍年数を延長するのは、このデータから見ても当然の流れと言えそうだ。

出所:2013年「高齢期に向けた【備え】に関する意識調査」内閣府

サービス業に増加の波 特に女性就業者数が伸長

そのような状況の中でも、就業者数を伸ばしている分野がある。サービス業だ(図4)。リーマンショック以降、製造業で大幅な「生産調整」が行われ、わが国の産業構造は第三次産業へと移行しつつある。また、高齢化により医療や介護といったサービス業の需要が大幅に高まっていることも下支えとなり、他の産業が停滞や微増減を繰り返す中で、サービス業は2020年に向けてさらなる増加傾向にある。
さらにそのサービス業の従事者数に注目したい。2000年代に入ってから、宿泊業、飲食サービス業、生活関連サービス業、娯楽業、教育、学習支援業、医療、福祉は女性就業者数の伸び率が高まっている(図5)。非正規雇用の増加で中高年の女性の就業チャンスが増えたことも後押しと考えられるが、この傾向からは今、サービス業における女性労働力の重要性がこれまで以上に認められつつあり、今後もさらに需要が高まっていくであろうことが見えてくる。

パートタイムの女性は仕事にポジティブ!?

さらに、リクルートジョブズの行った「求職者の動向・意識調査」を見てみると、仕事のモチベーションに関して、興味深いデータが出てきている(図6)。「今の仕事に対して満足をしているか」という問いかけに対し、「とても満足している」「まぁ満足している」と答えた割合が、アルバイトの男性は47.1%、パート男性は47.9%、正社員男性は39.8%といずれも半数に届かなかったのに対し、アルバイト女性は60.0%、パート女性は60.8%と、なんと6割を超える結果となった。これはつまり、仕事の内容や条件、職場でのポジション、勤続年数などとは一概に関係なく、パート・アルバイトの女性が仕事の満足度が高く、ポジティブに業務に取り組んでいるということなのだ。
総じていえば、若者の労働力が減少している今、日本の就業者数を牽引するサービス業において、女性たちがこれまで以上に労働力として活躍しはじめている。さらに、彼女たちは仕事にも前向き。この人材ゾーンこそ、今回私たちが注目したいポイント。日本の雇用・労働における希望の光とも言えるのではないか。

図4 産業別就業者数の推移
出所:2011年「2020年の「働く」を展望する成熟期のパラダイムシフト」リクルートワークス研究所
図5 男女別・産業別の雇用者数の増減
出所:総務省「労働力調査」再編加工/2002~2010年における男女別・産業別の雇用者数の増減
図6 男女別・雇用形態別の現在 / 直近の仕事満足度
出所:2013年「求職者の動向・意識調査」リクルートジョブズ

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「ありのママ採用」のススメ