パズワク

2016年12月13日 「2017年のトレンド予測」発表会より

はじめに:「パズワク」とは?

"不安"や"苦手"があっても大丈夫!
個人のチカラをパズルのように組み合わせ活かしあう『パズワク』

少子高齢化が進み、労働力人口が減少傾向にある近年。従来の「何でもできそうな人」の採用は徐々に難しくなってきています。一方で、短時間で働きたいニーズは増加傾向にあります。 そして、このニーズに応えるように、短時間勤務の求人も増加中。これまで以上にシフトを柔軟に工夫する企業も増えてきています。

そこで注目されるのは、働き方の多様性を可視化し、「得意や苦手を知り、補いあう職場」です。従来の「何でもできそうな人」を採用し、仕事を一人で完結するのではなく、個人のありのままを受け入れ、個人のチカラをパズルのように組み合わせ"ワクワク"を生む職場づくり。そんな『パズワク(パズルワーク)』を取り入れている企業が増え始めています。

キーワード ”不安”や”苦手”があっても大丈夫!個人のチカラをパズルのように組み合わせて活かしあう「パズルワーク」が増加の兆し パズワク

STEP1:背景の検証

短時間勤務のニーズに応える求人情報が増加

『タウンワーク』ぴったり!条件検索の「短時間勤務(1日4h以内)」の検索数は増加傾向にあり、求職者の短時間勤務へのニーズは高まってきています。(図①)
また、このニーズに応えるように短時間勤務の求人情報も増加しています。『タウンワーク』に掲載された求人原稿の中で、1日の最低勤務時間が「1~3時間」の求人原稿数も右肩上がりに増加を続けています。(図②)
この短時間勤務の導入により、職場の働き方は多様化してきています。シフト管理システム『シフオプ』のデータを分析したところ、ひとつの仕事場※での総労働時間は概ね変わらないが、従業員数は増加傾向にあることがわかりました。短時間しか勤務できない人でも、多くの人に働くチャンスが生まれてきていることがわかります。(図③)

図1 「タウンワーク」2016年2月~2016年9月、PC・スマートフォン利用者における該当条件の検索数を集計
図2 「タウンワーク」2012年4月~2016年9月、テキストマイニングにより抽出※2015年より抽出方法を変更
※『シフオプ』で、店舗(A店、B店)などの意味で使用されている項目
図3 シフト管理システム「シフオプ」利用顧客のうち、2015年4月~2016年10月の仕事場数(n=436)を対象として集計
出典:いずれも株式会社リクルートジョブズ

STEP2:変化の兆し(求人キーワードの変化)

キーワードは "苦手" × "チーム" "フォロー"
個人の"苦手"を受け入れ、補いあう職場が増加

STEP1にある通り短時間勤務のニーズが高まっていることに伴い、働き方も多様化。そして多様な働き方に合わせて、企業側のシフトの工夫も進んでいます。
『タウンワーク』のぴったり!条件検索「時間や曜日が選べる・シフト自由」に該当する求人原稿数を分析したところ、2015年4月~9月と2016年4月~9月では、1.7倍も増加、その中でも"苦手"かつ"チーム"の組み合わせ、または"苦手"かつ"フォロー"の組み合わせのキーワードを含む求人原稿数は9.0倍に増えていることが分かりました。(図④)個人の"苦手"を受け入れて、柔軟に"チーム" "フォロー"などで補いあう職場が増加していることが推察されます。

図4 「タウンワーク」2015年4月~2016年9月、テキストマイニングにより抽出
出典:株式会社リクルートジョブズ

STEP3:考察(採用基準と選考プロセスの変化)

『パズワク』採用基準の変化

これまでは、育成することを前提に"時間"知識"スキル"など必要な要素が揃った、「何でもできそうな人」をターゲットとする採用がよく見受けられました。しかし最近では、上記のように「何でもできそうな人」ではなくても、一人ひとりのチカラをパズルのように組み合わせる『パズワク(パズルワーク)』を前提とした求人が増加しています。この『パズワク』なら「条件が合わない」「無理かも」と、諦めてしまっていた人も補いあって活躍することができるようになります。

選考プロセスの変化

また、採用からシフトづくりまでのプロセスにも変化が起こっています。これまでのプロセスにおいては、面接では過去の就業経験やできることだけをヒアリングしていました。その後の配属や勤務も、人員が足りていないポジションで、決められた時間に勤務するというものでした。
しかし『パズワク』を前提にした選考プロセスでは、求職者の苦手や不安を受け入れ、それを踏まえて個人のチカラを組み合わせることを考慮し求人広告を出しているため、多様な人材が応募できるようになってきました。さらに、過去の就業経験やできることに加え、働くことへの心配事や不安、できないことなども面接時にヒアリングをし、それらの情報を元に配属先や担当業務も決めていきます。
このように、求職者一人ひとりの苦手や不安を受け入れ、寄り添う採用・シフトづくりへと変化の兆しが現れています。

CASE1:『パズワク』の勤務 トーエネック<静岡>

シニアの熟練スキルと若手のCADスキルの『パズワク』で、
古い建築現場の図面もデータ化を実現!効率アップ!

現場に行かなくても建築図面だけで電気工事の図面を書き起こせるスキルを持つ鈴木さん(68歳)は顧客からの信頼が厚いベテラン。一方CADスキルを持つ江間さん(25歳)は鈴木さんに学びながら、手描き図面をデータ化するという『パズワク』を実行中。2人の『パズワク』のおかげで古い建築現場の図面がデータで再現できるなど画期的な取り組みもできています。

トーエネック 掛川営業所長 柴田朋浩氏のコメント

~パズワクで"育成"と"効率化"を実現!~
地方の技術人材は流動が激しく、シニアの存在はとても大きいです。お互いのチカラを活かしあうように、若者とペアを組んでいます。鈴木さんからは若者に経験や知識を伝えてもらっています。

CASE2:『パズワク』の勤務 串焼き源's<名古屋>

臨機応変な接客力と豊富な知識の『パズワク』
忙しいランチタイムでもスムーズに、お客様満足度はアップ!

3歳双子のママの山崎さん(29歳)はランチタイムに3時間勤務中。お客様が喜んでくれる顔を見ることにとてもやりがいを感じ、お客様に合わせた臨機応変な接客が得意。一緒に働くBさん(40代)は子育ての先輩として、豊富な知識で山崎さんをサポートし『パズワク』を実行中。忙しいランチタイムでもスムーズな接客ができ、お客様満足度のアップにつながっています。

串焼き源's 店長 山内雄司氏のコメント

~パズワクで忙しいランチタイムでもお客様が満足する接客を実現!~
山崎さんはミュージカルに取り組んでいることもあり、表現が豊かで、お客様へのサービスも自然で上手。忙しいランチタイムでも丁寧な接客で、周りにいい影響を与えてくれています。

CASE3:『パズワク』を実現するプロセス キッザニア東京<東京>

面接での会話、配属を決めるプロセス、シフト管理を変更し、
学生から主婦まで個人のチカラが発揮できるように!

管理部人事・総務グループ 米良さやか氏、
運営部・シフトコントロールグループ 小野寺裕香氏のコメント

~採用担当者とシフト管理者の連携でパズワクを実現!~
面接はこれまでの経験や興味があることに加え、時間以外でも心配・不安や苦手なことをお聞きします。すると「腰痛持ちなのでずっと立ち仕事は・・・」「英語の接客は自信がない」などのお話をしていただけます。そのお話をもとに、その方の気持ちやできることを活かす配属先を決めていきます。

CASE4:『パズワク』を実現するプロセス りらいあコミュニケーションズ<金沢>

個人のチカラを活かすことが前提での採用と現場
全ての人に会い、じっくり話し、フィードバック

金沢センター 統括マネージャー 太田浩明氏のコメント

~未経験者でも手厚い研修で誰でも働ける職場に変化することで『パズワク』を実現~
採用してから、実際に勤務をしていただく前に、しっかりと1ヶ月以上の研修を用意しています。応募頂いた方が未経験者でもしっかりとサポートできる体制を整えているので心配ありません。また、現在は40代以上の応募も少なくなく、50代、60代のスタッフが活躍しています。今後はセカンドキャリアとしても働けるなど、もっと多様な方々が働ける職場づくりを目指していきます。

CASE5:地域・業種での広がり

各地域・業種へ広がりを見せる『パズワク』

代表取締役社長税田 和久氏

グローバル・クリーン 清掃・ビルメンテナンス業 宮崎

コツコツ丁寧で、正確な知識を持ったAさん(20代男性)と、まとめたり声がけが得意なリーダーのBさん(50代女性)の組み合わせで『パズワク』。清掃業務を時間帯ごとに細分化し、6種類の業務のうち1つでも担当できれば働けます。仕上げのクオリティと働きやすさの両立を実現しました。

喜久屋 クリーニング業 東京

週3日の療養と仕事を両立しながらも、包容力の高さや貢献意欲でリーダーとして活躍しているAさん(50代女性)と、感謝の気持ちを忘れずに、苦手でもやってみることを大切にしているBさん(40代女性)の組み合わせで『パズワク』。「オーダーメイド制シフト」で4ヶ国、20~70代の方が活躍しています。「お互い様とトヨタ式」で日本サービス大賞受賞。家庭、育児、体調、勉学と両立できる働きやすい職場を実現しました。

代表取締役社長中畠 信一氏

スタッフ小川幸夫さん

東急ハンズ 渋谷店 小売業 東京

長年培った、彫金の豊富な知識を生かし、お客様にあわせた接客をする小川幸夫さん(76歳男性)と、PC作業や正確な在庫管理が得意なBさんの組み合わせで『パズワク』。小川さんの豊富な知識とBさんの店舗システムを使った正確な在庫管理が組み合わさることによって、売り場全体のスムーズな接客が実現しました。

STEP4:『パズワク』の共通項

『パズル』のようにコインのチカラを組み合わせることを前提に、個人のチカラに注目し採用 苦手・不安を補いあうシフトを表現

STEP5:『パズワク』によって多様な働き方がさらにひろがる

”不安”や”苦手”も、当たり前。「パズワク」で、これまであきらめていた人も今の自分のままで希望の職場にチャレンジできるようになる!