各種調査

2020年08月28日

就職氷河期世代の働き方に関する実態と意識―個人調査と企業調査から―

いわゆる「就職氷河期世代」については、政府が3年間の集中的な支援プログラムを進めるなど、社会的な重要課題となっています。このレポートは、より効果的な就業支援のあり方を検討するための資料として、就職氷河期世代の働き方の実態や希望について、いくつかの個人調査と企業調査の結果をまとめたものです。
一口に就職氷河期世代といっても、現在の働き方や今後の希望は人によって様々で、それぞれが希望する働き方をかなえられることが望ましいと考えられます。ここでは、主に正規就業を希望する非正規・無職の方にフォーカスを当て、そのような方はどれくらいいるのか、その就業の実態や具体的に希望する働き方、また企業の実態や意識を提示します。

調査ダイジェスト

Ⅰ. 個人編(p.3~p.13)

  • ●就職氷河期世代で、非正規で働いている方は約589万人、そのうちいわゆる不本意非正規労働者は約71万人、失業者のうち正規の仕事を希望する人は約27万人。
  • ●また、直近1年で非正規から非正規または正規へ転職した方のうち、正規転換したのは14%、男性は25%、女性は11%であった。
  • ●前職と同じ業種に入職したのは、特に「医療・理美容・薬・福祉」。一方、「ビルメン・警備」等は他の業種からの転換が比較的多い。職種では「専門職」や「事務」は前職同職種からの入職割合が比較的高い。
  • ●前職が非正規で、正規転換した人は「報酬・賃金」の他、「有給・長期休暇の取りやすさ」「勤務地・転勤の有無」を重視していた傾向がある。一方、引き続き非正規に入職した人は「勤務時間帯(開始時間と終了時間)」を重視していた傾向があり、募集の勤務時間帯を見直すことで正規転換につながる可能性がある。
  • ●正規就職希望者が探した仕事の労働時間は、男女ともに週40~50時間未満が50%を超える。また、女性では、週30~40時間のやや短い勤務時間を希望する人が、20%以上存在している。

 

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Ⅱ. 企業編(p.14~p.23)

  • ●過去3年間で就職氷河期世代の正規転換を受け入れた企業は全体の半数以上。また今後、就職氷河期世代を採用する可能性があるとの回答は85%を超える。採用実績がある企業の方が、可能性があるとの回答が多く、一度採用したらまた採用したいと考える場合が多いと言えるだろう。
  • ●就職氷河期世代を採用した職種は、営業、事務・企画、ドライバー、接客など。幅広い職種で採用されている。採用したい職種は多い順に営業、専門・技術職、事務・企画、介護など。
  • ●採用して良かった点は、「人材不足が緩和された」「長く働いてもらえる人材を採用できた」「意欲的な人材を採用できた」。採用の絶対条件は、「仕事に意欲的である」「真面目にこつこつ働ける」など。
  • ●希望する支援は、「採用に対する補助金」「お試し受入」「就職氷河期世代の実態や意識についての情報」「就業者向けの研修・職業訓練」など。

 

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―個人編・企業編を受けて―

  • ●就職氷河期世代のうち、いわゆる不本意非正規労働者は約71万人。今後、就職氷河期世代を採用する可能性があるという企業は85%以上と多い。
  • ●就職氷河期世代は幅広い業職種で採用されている。「医療・理美容・薬・福祉」 などで働いていた場合はそのスキルをそのまま生かしている割合が高いが、意欲を買われて新しい分野に移ることも多いと考えられる。
  • ●非正規から正規転換した人は、「報酬・賃金」の他、「有給・長期休暇の取りやすさ」や「勤務地・転勤の有無」を重視している傾向がある。個人と企業が互いの重視する点を確認しあう、丁寧なマッチングが必要だと考えられる。
調査結果の詳細はこちらのPDFをご覧ください
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