座談会レポート 「今こそ話したい!これからの多様な働き方」

2020年06月30日

新型コロナウイルス影響の実態、今わたしたちが考えることとは

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座談会の概要

初めての緊急事態宣言を終えた現在、それでも元の生活に完全に戻るという感覚はなく、皆がwithコロナの生活、時代になることを覚悟していることでしょう。わたしたちジョブズリサーチセンターでは、この新しい時代の転換期において、それぞれが感じている変化を不安として抱えるのではなく、前進するためのヒントとして捉えていきたいと考えています。座談会では有識者をゲストに迎え、リクルートジョブズが掴んでいる変化に様々なアドバイスをいただきます。
初回は、『タウンワーク』などの編集長を務める柳谷さんに「仕事探しの変化とこれから」についてお聞きします。

  • 宇佐川邦子

    株式会社リクルートジョブズ
    ジョブズリサーチセンター センター長
    宇佐川 邦子(うさがわくにこ)

    リクルートグループ入社後、一貫して求人領域を担当。2014年4月より現職。
    各々の業界の特色を踏まえ、求人・採用活動や人材育成・定着促進のための従業員満足のメカニズム等、「雇用に関する課題とその解決に向けた新たな取り組み」をテーマに講演・提言を行う。内閣府、経済産業省や全国求人情報協会など、様々な検討会で委員を務める。

  • 柳谷 元樹

    株式会社リクルートジョブズ
    『タウンワーク 』編集長
    柳谷 元樹(やなぎたに もとき)

    2002年に株式会社リクルートに入社以降、一貫して人材業界に従事。
    『タウンワーク』『フロム・エーナビ』『はたらいく』『とらばーゆ』『リクナビ派遣』の商品企画部長、並びに『タウンワーク』『フロム・エーナビ』編集長を担当。労働市場のトレンドを踏まえ、アルバイト・パートの採用に関する各企業の最新の取り組み、働き手の意識の変化までわかりやすい語り口で解説。

変わってきた検索キーワードでこれからを読み解く

宇佐川:オンライン座談会の初回ということで、本日はお時間いただきありがとうございます。まずはじめに、『タウンワーク』の編集長として、新型コロナウイルス感染拡大の影響で感じていることはどのようなことでしょうか?

柳谷:よろしくお願いします。『タウンワーク』を利用した応募は増えている状況です。ただ中をみると、時期によって違いがあり、まだ緊急事態宣言が出る前の3月は実は高校生や大学生といった、休校や春休みに入っている若い年代層の応募が増えていました。4月に入り、緊急事態宣言が出るとその若い年代層の応募は急激に減少、対前年で5割程度にまで減りました。一方で応募が増えたのは既に就業している層(アルバイトや正社員など)です。

宇佐川:通常4月前後は学生がアルバイトを探し始める時期として、応募は活発ですよね。ただ、今年は緊急事態宣言を受けた行動として、アルバイトを探す学生は減った、ということですね。

柳谷:そうですね。ただ、学生が減った分以上に、就業している層の応募は増えているので、全体としては応募が増えているという状況です。これは『タウンワーク』に限らず、地元で<自分らしく働く>ための『はたらいく』や女性向け求人を集めた『とらばーゆ』も同様です。

宇佐川:その他に気になる変化はありますか?

柳谷:個人的な感覚でいうと、社会全体的に公衆衛生観念がガラッと変わりましたよね。自分のメンバーで、同居するおばあちゃんが90代だからリスクを考慮してなるべく外出しない生活をする、大好きで毎週通っていたサウナを控えるなど色々聞きました。行動、習慣の変化が身近なところでもたくさんあるなぁと。店舗運営に目を向けると、レジでのお金の受け渡しは直接手ではなくトレーの上で、などもこれまで良しとされていたことが変わっていて。

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宇佐川:それ大きいですよね。これまでよきサービス、おもてなしとしてよかったことが変わる。すると、企業にとっては、サービス内容やスタッフの育成などもどんどん変わっていくことにつながりますよね。

柳谷:そうなんです。サービス内容と同様に、その公衆衛生観念を考えると、「対面での面接は控えたい」「電車通勤ではなく、車で通いたい」「自宅で仕事がしたい」など求職者の仕事探しも変わってきて、これからもそういうニーズが増えてくると思っています。『タウンワーク』で検索されているキーワードをみると、「WEB面接」「オンライン」などはこれまでほとんど検索キーワードに入っていなかったのが、3月から急増しはじめています。「在宅」「車通勤OK」も対前年2倍程度の増加です。

宇佐川:たとえば、その「在宅」っていうキーワード検索は学生もしていたりするのでしょうか?従来は「在宅」の仕事は主婦など、時間の制約がある方などに人気だったと思うのですが。

柳谷:細かい属性の分析が難しいのですが、この増加をみると、学生も「在宅」で検索していると思います。確かにそれはこれまでそんなに多くなかった現象です。

宇佐川:学生に人気の家庭教師のアルバイトなど、最小限の対面人数でできる仕事ですよね。そういったものも注目されそうですね。そのような働き方の観点でいくと、他に目立つキーワードはありますか?

柳谷:「日払い」「週払い」といった給料の支払いが短期の仕事が検索されています。対前年で1.5倍程度です。また、これまでも人気ではあったのですが「未経験」というキーワードも対前年1.5倍程度で増えています。

宇佐川:コロナ影響による働き方の変化、マネジメントの変化では在宅勤務といった観点が注目されがちですが、給料の支払い方や接客方法などの細かい変化も含めて未経験を受け入れるということも、求職者の気持ちに寄り添うという観点では大事になりそうですね。

年齢、性別などよりもどういう働き方がしたいか

宇佐川:コロナ影響によって仕事探しの変化があると、『タウンワーク』をはじめとして、求人企業と求職者をつなぐ役割、価値はどうなっていくのでしょうか?

柳谷:飲食店や小売りなど多くの企業は事業運営の見直しに迫られています。たとえば、レストランで30人座席がある店舗でもこれからはソーシャルディスタンスをとり、10人座席のレイアウトに変えつつ、売上も維持していくとなると、別の方法で売上をあげることが必要になる。それがテイクアウト販売対応、デリバリー対応などですよね。このオペレーション変革に成功することが必要で、我々はそれがスムーズにできるように人材という観点で支援できるようになりたいですね。
そのためにできることとしては、先ほどの検索キーワードの話もしたように、まずは求職者のニーズをいち早く伝えて、事業運営やオペレーション変化にあわせて求人情報をつくり、『タウンワーク』で届けることです。たとえば、毎週の『タウンワーク』の特集で「在宅特集」など展開し始めました。

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宇佐川:学生やシニアなど、これまではその属性にあった特集などで、求人企業にも求職者にも誰向けのものかわかりやすくしてきたと思いますが、コロナ影響による事業運営の見直しを踏まえると、属性といった観点よりも「どのような働き方か」「どのような仕事か」という点がより重要になってきそうですね。
最後に、今後この座談会は次回以降、リクルートジョブズの営業担当と有識者も招き展開していく予定です。こういうことを是非話してほしい、といったものありますか?

柳谷:営業は一番身近で企業の状況を知り、求人以外の不安や悩みも一緒に共有していると思います。まずはそれをきちんと、我々も社会全体を見通してしっかり受け止め話し合える場になるといいですね。今や世界中で同時進行かつ正解がないなかなので、自分にあう方法はなんだろう、と試行錯誤できる時でもあると思うんですね。もちろん大変なんですけれども。その一歩が踏み出せるよう、半歩先がみえるようなアドバイスを有識者の方にはぜひお話お聞かせいただきたいです。たとえば、「オンライン」を活用した面接はそのツール、使い方についてだけではなく、その前後も含めたやりとりで何をどうケアしたらよいのか…など。

宇佐川:ちょうど次回は「採用選考」をテーマにしようと考えていました!そこは次回たっぷり聞くことにします。本日はありがとうございました。

初回は『タウンワーク』編集長の柳谷さんに「仕事探しの変化とこれから」をテーマに、コロナウィルス感染拡大直後の応募状況や求職者の検索キーワード、これからの仕事探しで重要になりそうなことについてお聞きしました。次回は、応募や面接シーンなどを含めた採用選考がテーマ予定です。

文/茂戸藤 恵(ジョブズリサーチセンター)