STEP 4 変化の兆候

「ありのママ採用」で業績上向きという事実

企業の47.5%がすでに採用をはじめている

では、実際にこのような女性たちを採用している企業は、どれくらいあるのだろうか? 子育て卒業ママ、ここで言うありのママを採用した企業について調査をしたところ、「実際採用したことがある」と答えた企業は47.5%。約半数の企業がありのママの採用を行っている。その中でも「過去に比べてありのママ採用が増えたか」という質問に対しては60.0%の企業が「増加した」と答えている(図9)。採用市場における彼女たちの重要性は、着実に大きくなっていると言えそうだ。

図9 ありのママ採用企業の動向
出所:2014年「ありのママ採用に関する企業調査」リクルートジョブズ

評価されはじめたママならではのスキル

さらに「ありのママを採用する理由としてどのようなことが挙げられるか?」という質問に対しては、「主婦ならではの経験がそのまま役立てられるから」が54.7%、「組織コミュニケーションの円滑化/活性化に役立てられるから」と答えた企業が50.5%という結果になった(図10)。彼女たちの能力をきちんと評価し、戦略的に採用する企業が半数以上にのぼっている。これは、これまで家庭内での評価に限定されていたママのスキルが、パート・アルバイトの現場でもそのまま発揮されると、採用側も評価していることを示している。ママたちは、独自のスキルを持った活躍「人財」として、家庭の枠を超えて評価されはじめているのではないか。家事・育児は、実社会につながっていると、ママたちも自信が持てる結果である。

図10 ありのママを採用する理由
出所:2014年「ありのママ採用に関する企業調査」リクルートジョブズ

業績が上向き傾向の企業はママ採用に積極的

さらに、企業の業績と組織運営状況を見てみると、興味深い結果が得られた。業績が「上向き」と答えた企業の中で、ありのママ採用実績がある企業は52.6%、「横ばい」と答えた企業の中では46.5%、「下向き」と答えた企業の中では42.9%と、業績がいい企業ほど、ありのママの採用実施率が高いのだ(図11)。組織運営状況に関しても、「円滑とは思わない」と答えた企業のありのママ採用実施率が39.5%だったのに対し、「円滑である」と答えた企業の実施率は49.1%と、上回る結果になっている。
彼女たちが、企業の組織運営や業績にプラスのインパクトを与えていることが、データにも表れはじめている。そして実際に、ありのママが活躍している事例もいくつも上がってきている。次ページから、具体的なケースをご紹介したい。

図11 業績・組織別/ありのママ採用実績
出所:2014年「ありのママ採用に関する企業調査」リクルートジョブズ

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「ありのママ採用」のススメ