採用の知恵袋

2023年12月25日

#アルバイト・パート#学生・若年層

採用の知恵袋 2023年12月号 ―リスキリング、アルバイトには無関係?―

政府も推進する「リスキリング」。正社員だけの話と思われがちですが、アルバイトについても意識するべきテーマです。アルバイトの成長を支援し、意欲ある人材の定着・採用を目指しましょう。
「採用の知恵袋」では、企業から寄せられる質問に対して、調査研究の結果や企業・行政団体との取り組み事例をもとに回答します。今回はセンター長の宇佐川が答えます。

Q.

「リスキリング」という言葉をよく耳にします。弊社は中小企業でアルバイトの従業員が多いので、リスキリングに取り組んだことはありません。アルバイトにもリスキリングは必要でしょうか?(関東エリア/飲食業)

A.

アルバイトでも若い年代を中心にスキルアップや成長を重視する人がいます。彼らの成長を支援するには、新しい業務を任せ、たとえ小さくても学びや経験を得てもらうことを意識しましょう。マンネリ化させず「できることが増えた」という成長実感を持ってもらうことで定着につながります。


解説

世間一般に言われる「リスキリング*」はDX対応と思われがちで、自社には関係ないと感じることもあるでしょう。しかし、その盛り上がりもあり、DXに限らず「スキルアップ」「成長」が注目されるなか、アルバイトであっても成長を支援することは人材の定着・採用に効果が期待できます。
*リスキリングとは…就職のため、もしくは今の職場で起こりうる変化に対応するために新たなスキルを習得する(または会社が習得させる)こと。特に最近はDX(デジタル・トランスフォーメーション)により、デジタル技術関連のスキル習得を指すことが多い。

◇ アルバイトでも求められる成長環境

ジョブズリサーチセンターがおこなった「求職者の動向・意識調査2023」で、最近1年間に仕事探しをした人に仕事の目的を聞きました。経済的理由が上位に挙がりますが、「自分が成長するため」も2割弱を占めています。正社員のほうがアルバイトより高いものの僅差。15~24歳の若い年代ではアルバイト男性24.6%、女性25.0%となり、正社員と同じかそれ以上でした。

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また、仕事探しをした理由では「当時の仕事で自分が成長できないと感じた」10.4アルバイト男性15~24歳では約3割成長機会を理由に仕事探しをしたようです。 アルバイトでも成長を求めている人います。採用時の研修や普段のやり取りなどで一人一人の意向を把握しましょう。 

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◇ 小さくても新しい学びが成長実感へ

アルバイトの成長といっても、企業は具体的に何を支援すれば良いのでしょうか。特に若い年代が成長を重視していますが、「<学生版>求職者の動向・意識調査 2023」で学生にアルバイトで身に付けたいことを聞くと「異なる年齢・立場の人と、コミュニケーションを取れる」43.3%がもっとも多く、「適切なマナーを守れる」39.1%が続きました。汎用的なスキルが上位に挙がり、必ずしも難しい・責任ある業務を求めているわけではないようです。

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若者に成長実感を持ってもらうには新しい業務を任せることが重要ではないでしょうか。できる業務ばかりではマンネリ化して成長実感が薄れてしまいます。ひとつの業務が一人前になったら次の業務を任せる、たとえ小さくても新しい学びや経験をしてもらうことで「できることが増えた」という成長実感につながることが期待できます。
また、「特になし」は2割弱に留まりました。あくまで学業がメインの学生でさえ、アルバイトを通して何らかの成長をしたいと考えているようです。

リスキリングが叫ばれるなか、若い年代を中心にスキルアップや成長が重視されています。それは正社員に限らずアルバイトも同様です。彼らの成長を支援することで定着が期待できるほか、アルバイト募集時に身に付くスキルや教育体制などを募集情報に書くことで、意欲ある人材の採用を目指してはいかがでしょうか。