ジョブズリサーチセンター

ホットコラム 「MY論~私はこう考える!」

2014年02月07日

アルバイトの「非常識行動」の
メディア被害にどう対処するか Vol.1

そもそも、なぜアルバイトが「非常識行動」を行うのか ~原因について~

アルバイトが業務中に起こした「悪ふざけ」を写真やコメントで、twitterやFacebookなどのソーシャルメディア等を通じて拡散させ、社会的非難を浴びる「事件」が昨今頻発しています。しかも、閉店や倒産等の「悪ふざけ」では済まないような深刻な被害を受ける企業も出てきています。多くのアルバイトを抱えている企業にとっては、けして他人事ではないと思います。今回から数回にわたって、事の本質の分析と対処方法について考えてみたいと思います。

直接的には、「メディアリテラシー」が原因

昨今騒がれているソーシャルメディア上での「非常識行動」とは「業務用冷蔵庫に入る」「原料を使って遊ぶ」などの「とんでもない」行動を指します。生死に関わるようなことではありませんが、けして許されることではありません。ただ、当事者の人生を台無しにさせるほど社会から厳しく罰せられるような大騒動になってしまっているのは、大変悲しむべきことだと思います。一人ひとりの人は、悪ふざけを見て「ちょっと眉をひそめる」程度の反応をしているのですが、それがソーシャルメディアという大量拡散装置を通じて、大勢の人に伝わることで、結果的に連鎖的な批判につながっていくのでしょう。

「公」には「公」のルールやマナーがあり、それはたいていの場合、「私」的なものより厳格です。昨今問題を起こしている人達は、職場やソーシャルメディアが「公」であることが分かっていないのだと思います。素朴に考えれば、スマートフォンのような手の中にある身近なメディアが全世界とつながった「公」であると認識するのは、自然にとはいかないでしょう。直接的には、このメディアリテラシーの低さが原因と言えると思います。

本質的には、「自己重要感の欠落」が原因

メディアリテラシーは、社内研修等で向上させることは可能です(具体的には、次回以降)。ただ、それでも、意識するしないにかかわらず、「とんでもない」行動を流布することを望んでいるようなケースは防ぐことができませんから、そもそもそういう行為をしないようにしなければなりません。では、彼らはなぜそんなことをするのでしょうか。

一連の「悪ふざけ」に共通して私が感じることは、「自己重要感の欠落」です。本来なら仕事の道具や商品は、会社の命運や自分たちの生活がかかっている大切な基盤です。昔から日本では「神聖」とさえ思われていたようなものです。しかし、「悪ふざけ」をする人達からはそのような意識は感じません。むしろ、おとしめてやろうという印象すら受けます。

「大切なはずの仕事を、なぜあえておとしめるかと言えば、彼らが仕事によって自分がおとしめられていると感じているからだと思います。人の心には、「されたことはし返す」という「返報性」の働きがあります。彼らは、仕事や職場や同僚、雇用主などから大切にされていないと、「自己重要感」を持てずにいるのかもしれません。だから、彼らも仕事や職場に愛着を持たず、結果、軽々しく今回のテーマのような問題行動をするのではないでしょうか。人は愛着を感じているものをおとしめたりはしないはずです。

雇用側のコミットメントが影響している可能性

すなわち、最も根本的な原因の一つは、雇用側や同僚が、アルバイトに対して彼らが望むほどにはコミットしていない、個々人を尊重していないことが原因かもしれません。非常識行動の「責任」は、行った本人が負うべきものです。しかし、雇用主側の原因が少しでもあるとすれば、そういう可能性があると思います。

それは何も雇用主が「人を大切にする気が無い」とかそういうことではありません。「仕組み化」の重要性が叫ばれている昨今においては、働く人の個性を重視するより、むしろそれを打ち消すことで、サービスの質の向上や安定化、効率化を目指すことが多いため、「結果として」アルバイトの方々が自分の仕事や職場に愛着を感じなくなる可能性があるということです。自分を重要視しない、仕事や職場を大切にはできないということです。

しかし、「仕組み化」はビジネス観点からは避けがたいことですから、何らかの他の方法で雇用主側は「自己重要感」を感じてもらうような何らかのメッセージをする必要があるのです(詳細は次回に述べさせていただきます)。

株式会社人材研究所 代表取締役社長
組織人事コンサルタント
曽和利光
京都大学教育学部教育心理学科卒。リクルート人事部ゼネラルマネジャー、ライフネット生命総務部長、オープンハウス組織開発本部長と人事採用部門の責任者を務め、主に採用・教育・組織開発の分野で実務やコンサルティングを経験。2011年に株式会社人材研究所設立。現在、人々の可能性を開花させる場や組織を作るために諸事業を展開中。人事プロデューサークラブエグゼクティブパートナー、GCDFキャリアカウンセラー、他

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