ジョブズリサーチセンター

ホットコラム 「MY論~私はこう考える!」

2014年03月20日

アルバイトの「非常識行動」の
メディア被害にどう対処するか Vol.3

「炎上」が起こってしまったら ~対処について~

前回のように、様々な予防をしても、それでもなお、アルバイトが業務中に起こした「悪ふざけ」がソーシャルメディア等で拡散し、各所から非難を浴びるいわゆる「炎上」状態になってしまった場合の対処法について述べたいと思います。

隠ぺい、放置せずに、即座に対応する

万全の対策をしていたつもりでも、アルバイトのソーシャルメディアへの「悪ふざけ」投稿が起こってしまう場合はありえます。その際、「炎上」といった大問題になるかならないかは、企業側がその事態を隠ぺいしようとするかどうかによるところが大きいと思われます。世の人は、起こったこと自体に対してだけでなく、「なかったことにする」「とぼける」「ごまかす」といった行為に対して厳しいのです。

もし、「炎上」すなわち「悪ふざけ」投稿に対する大量の批判・非難のレスポンスが発生するという状況が起こってしまったら、即座に対応することが基本です。「そのうち沈静化する」と楽観視したり、「誰が被害者というわけではない」と放置したりしてはいけません。

ソーシャルメディアの情報拡散スピードを考えると、「即座に」というのは、文字通りできうる限り早くです。発見から一両日中という時間感覚ではなく、数十分から数時間以内にすべての対処を実行するというつもりで臨まなければいけません。

情報獲得はすばやく、ただし対処は冷静に

「炎上」に早く対処するには、当然ながら「炎上」状態を早く認識しなければいけません。そのためには、例えば、Googleアラート(指定のキーワードに関連する最新の Google 検索結果をメールで配信するサービス)などのサービスを用いて、日頃から自社について悪い情報がWEB上にUPされていないかを見ておく必要があります。

「炎上」状態を発見したら、次に対処方法について考えます。「即座に」とは言っても、ここで事態をきちんと認識して一旦冷静になることが重要です。勢い余って間違った対処をしてしまい火に油を注ぐことは避けなくてはなりません。

まず、反応すべき対象であるかどうかを判断することです。WEB上のすべてのコメントに対して、反応するというのは非現実的です。また、そもそもコメントをした人がすべて何らかの反応を求めているわけではありません。単に嘲笑したり面白がったりしているだけであれば、それらのすべてに対する個別のレスポンスは必要ないかもしれません。

非があれば、言い訳せずに謝罪し、対処する

しかし、「悪ふざけ」によって実際に被害にあわれているような方がいる場合には、即座に謝罪をする必要があります。その際、一般社会での場合と同様に、「お詫びをするのであれば、言い訳をしない」ということが鉄則です。「不可抗力であった」「そこまで被害は大きくない」などの「言い訳」を付け足したお詫びは逆効果です。「事態を認識したこと」「即座に原因を分析し、改善行動を取ること」をお詫びとともにメディアに投稿します。

また個々の被害者に対しては個別対応が必要です。相手の心境に十分に配慮をしながら、できるだけ個人にダイレクトに届く方法(ダイレクトメッセージ等)で限定的にメッセージを送る方がよいと思われます。「炎上」のキーマンとなっているような方に対しては、特に丁重に対応することが必要です。

最終的には、以上のようなことを通じて事態が沈静化した時点で、改めてお詫びと今後の改善方針を公式に表明することで、対外的な対処は一応の終了となります。

そして、その後に、「悪ふざけ」投稿による「炎上」を起こした本人に対しては、事の程度によって会社としての対処を決めていくことになります。


以上、3回に渡りまして、従業員の「非常識行動」への対処方法について述べてきました。つまるところは、お客様にご迷惑をおかけしたり、アルバイト自身が不幸なことになったりしないように予防に注力することが肝要かと思います。ぜひご検討ください。

株式会社人材研究所 代表取締役社長
組織人事コンサルタント
曽和利光
京都大学教育学部教育心理学科卒。リクルート人事部ゼネラルマネジャー、ライフネット生命総務部長、オープンハウス組織開発本部長と人事採用部門の責任者を務め、主に採用・教育・組織開発の分野で実務やコンサルティングを経験。2011年に株式会社人材研究所設立。現在、人々の可能性を開花させる場や組織を作るために諸事業を展開中。人事プロデューサークラブエグゼクティブパートナー、GCDFキャリアカウンセラー、他

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